PHILOSOPHY

 

「少ない方が豊か」 シンプルな建築ソリューションと、内的に満たされた簡素な生活

KANSOの建築は、自然環境との調和に基づく「シンプル」なソリューションです。それは住む人を簡素な生活に導き、「少ない」ことが逆に、内的な静寂と精神的な創造性という心の豊かさをもたらします。

 

「揺りかごから揺りかごへ」〜自然のマテリアルの循環と最小限のエネルギーインプット

KANSOの建物は、木や土や石や植物/動物性素材といった古くから使われている伝統的な自然のマテリアルで、できる限り地域産のものを使って建てます。そしてそれら自然のマテリアルの加工、流通、施工の過程において、「グレーエネルギー」ができる限り少ないこと、使用後にリサイクルや再利用ができることにこだわります。生産するのに大量のエネルギーを必要とする、セメントやアルミ、将来「特別廃棄ゴミ」になる合成化学物質を、できる限り使いません。

 

太陽のエネルギーを大きな質量の躯体に「蓄熱」する

KANSOの建築では、できる限りたくさん太陽エネルギーを利用するために、基本的に南向きに大きく開口し、大きな質量を有する自然のマテリアルの躯体でつくります。そのマテリアル質量が、開口部から入る太陽の熱放射エネルギーを数日間「蓄熱」し、室内の温度変化を少なく抑えます。質量のある自然のマテリアルは、高い吸熱・放熱作用を持ち、冬は暖かく、夏は涼しい環境をつくります。追加して、屋根に太陽光発電パネルを設置すれば、環境に優しい電力を生産し、それを電気機器や給湯湯沸かし器など、自家消費用に使うことができます。

 

自然のマテリアルが暖房もエアコンも機械換気も必要としない快適な住まいを可能に

KANSOの建物は、できるだけ機械設備を使わずに機能させます。「蓄熱」「調湿」「消臭」「殺菌・除菌」といった自然のマテリアルがもっている、素晴らしい多面的な特性を最適に使うことができれば、暖房やエアコン、機械換気、レンジフード、換気扇、消臭装置など、無くすことも可能です。

 

「連帯」の建築

KANSOの建物は、「連帯」の建築を促進します。それは、建主が(場合によっては、その家族や友人なども)、プロの設計者や施工者と一緒に、プランニングや建設作業を行うことです(=セルフビルド)。健康に害のない自然のマテリアルを使い、機械設備をできる限り少なくした「シンプル」な建築手法は、素人にも、建築プロセスへの「共創」の可能性を与えます。